カードローンの金利計算と返済方式を解説

カードローンの広告には各社◯%~◯◯%と金利を掲載しています。しかし実際利息はいくら払えばいいのか理解している人は少ないのではないでしょうか。

また、カードローンの利息は借入金額や借入期間によって変動しますが、カードローンの利息の負担は返済方式によっても大きく変わります。
自身の利用目的に合ったカードローンを選ぶためには返済方式も理解しなくてはいけません。
そこで、カードローンの金利計算の方法とカードローンの様々な返済方式の解説、さらにできる限り支払う利息の負担を抑える方法を紹介します。
カードローンの金利、利息、利子とは?
お金を借りると必ず出てくる3つのキーワードである金利と利息と利子。それぞれの意味と違いを解説します。
利息と利子
利息と利子はほぼ同じ意味ですが、借り手と貸し手の立場によって使い方が変わります。
- 利息 貸し手が融資額に加えて受け取る「貸し賃」
- 利子 借り手が借入金に上乗せして支払う金銭
カードローンで利用者が金融業者に支払うのが利息であり、銀行などにお金を預けて一定の利率で受け取る対価が利子、と覚えてください。
金利
金利は利息に対する利息の割合です。利率や利回りとも言います。金利は%で表示され一年単位です。
もし年利18%で10万円を借り入れした場合、1年で100000×0.18=18000で18,000円の利息が発生します。
本来、実質年利は手数料や保証料を加えた金額ですが、ほとんどのカードローンは手数料や保証料は無料となっているため実質年利=金利と考えてよいでしょう。
カードローンの利息計算の方法
カードローンの金利は1%台から18.0%と幅広く設定されています。もし借入を行ったらどのぐらい利息を払わなければいけないのか、利息の計算方法を紹介します。
利息の計算方法
利息は次の計算式で算出されます。
借入残高×金利÷365×利用日数
もし10万円を年利14.5%で借入し30日後に返済した場合、100000×0.145÷365×30=1191.78となり、支払う利息は1191円です。
※借入当日は利用日数に含まれません ※1円未満は切り捨て ※閏年は366日で計算
実際支払う利息はいくら?
カードローンの利息は上記の計算式で算出できますが、返済が長期間に渡ると元金が減り、借り入れ時の「借入金の利息×年数」では算出できません。
例えば、100万円を年利15%で借り入れし4年(1460日)で完済したと想定すると上記の計算式では、
1,000,000(円)×0.15(%)÷365×1460(日)=600,000(円)
となり60万円もの利息を支払うことになってしまいます。
しかし毎月返済すると元金も減っていくので2年目に元金は75万円、3年目の元金は50万円となり、その元金に対して金利計算するので毎年の利息は、
- 一年目 1,000,000円×15%=150,000円
- 二年目 750,000円×15%=112,500円
- 三年目 500,000円×15%=75,000円
- 四年目 250,000円×15%=37,500円
となり、合計の利息は37万5000円となります。
実際はさらに複雑な方法(借入残高を毎月見直して計算し平均した額が毎月の利息になります)で計算されます。
さらにカードローンは返済方式によって計算方法が変わるので、借入金や完済期間が同じでも各社によって利息が変わるのです。
カードローンの返済方式

カードローンには様々な返済方式が異なりそれぞれ特徴があります。返済方式を理解し、自分に合った返済方式を把握して申し込むことが大切です。
元利定額返済
元利定額方式は毎月の返済額が一定となる方式で、住宅ローンなどで採用されている返済方式です。
元金+利息が一定のため返済計画が立てやすい、といったメリットがありますが、反面元金の減りが遅いため返済が長期間になってしまいます。同じ返済期間であれば元金定額返済より支払額が多くなります。
元金定額返済
元金定額返済は毎月の返済額のうち元金が一定となる方式です。
元金は一定ですが元金の総額は減っていくため利息は安くなっていき、返済が進むにつれ返済額が減っていきます。
しかし借り入れ当初の返済額が高いので負担に感じるかもしれません。三井住友カードゴールドローンがこの返済方式を採用しています。
リボルビング方式(リボ払い)
リボルビング方式(リボ払い)はほとんどのカードローンが採用している返済方式です。
リボルビング方式とは「借り入れ金額に関係なく一定のルールで定められた金額で返済する」システムです。
例えば利用限度額50万円で毎月の返済額を1万円と設定した場合、10万円借りても30万円借りても毎月の返済額は1万円となります(ただ、借入金が増えると返済期間は長くなります)。
リボルビング方式にも複数の種類があり、カードローン各社によって採用している方式が異なります。
残高スライド方式
残高スライド方式とは、返済額の「定額」の部分が借入金額によって増減(=スライド)する方式です。
カードローンの多くは残高スライドに「元利定額リボルビング方式」を組み合わせた返済方式を採用しています。「元金定額リボルビング方式」もあるが、採用しているカードローンはほとんどありません。
残高スライド元利定額リボルビング方式
元利定額リボルビング方式とは、月々の返済金額を一定とする返済方式です。
返済額を「1万円」と設定すれば完済するまでこの金額は変動しません。
返済金額が変わらないので毎月の返済がわかりやすいのですが、返済初期は返済額に対して利息の割合が多くなってしまい元金が減りにくい返済方式です。
残高スライド元利定額リボルビング方式は、元金の残高によって返済額が増減します。元金が減っていくと返済額が減少しますし、新たな借り入れを行い元金が増えると返済も増加します。
返済を続けていけば返済額が減っていくので毎月の負担は少なくなりますが、返済額が減ると利用期間が伸びていきます。
借入時残高スライド元利定額リボルビング方式
借入時残高スライド元利定額リボルビング方式とは、最終借入時の残高によって返済金額が決まる方式です。
新たな借り入れを行うごとに返済額が変動します(逆に新たな借り入れをしない限り返済額は変わりません)。これはプロミスやアコムが採用している返済方式です。
ちなみに、返済方式についてプロミスは「残高スライド元利定額リボルビング方式」アコムは「定率リボルビング方式」としていますが、実際は借入時残高スライド元利定額リボルビング方式です。
カードローンの金利の相場
カードローンの金利は各社によって異なります。代表的なカードローンの金利を紹介します。
銀行カードローン
まずは主な銀行カードローンの金利を紹介します。都市銀行や地方銀行とネット銀行では金利の相場が異なります。
都市銀行
カードローン名 |
金利 |
返済方式 |
みずほ銀行カードローン | 2.0%~14.0% | 残高スライド方式 |
三菱UFJ銀行カードローンバンクイック | 1.8%~14.6% | 残高スライド方式 |
三井住友銀行カードローン | 4.0%~14.5% | 残高スライド型元利定額方式 |
※すべて変動金利
都市銀行は資本力があるためカードローンの中でも最も金利が低く設定されています。地方銀行も同様の金利水準です。
ネット・流通系銀行
カードローン名 |
金利 |
返済方式 |
楽天銀行スーパーローン | 1.9%~14.5% | 残高スライド方式 |
イオン銀行カードローン | 3.8%~13.8% | 残高スライド方式 |
ジャパンネット銀行カードローン | 1.59%~18.0% | 残高スライド元利定額方式 |
auじぶん銀行カードローン | 1.48%~17.5%
※au限定割 |
残高スライドリボルビング方式 |
※すべて変動金利
流通系銀行は都市銀行並の金利水準で、ネット系は消費者金融と同等の金利が設定されています。
ネット銀行の利用者は個人がメインで一件の貸付金が大きくないため、金利を高く設定するのは当然かもしれません。
信販会社系カードローン
カードローン名 |
金利 |
返済方式 |
三井住友カードゴールドローン | 3.5%~15.0% | 毎月元金定額返済 |
オリックス・クレジットVIPローン | 1.7%~14.5% | 新残高スライドリボルビング方式、元利定額リボルビング返済の選択制 |
CREST(オリコのカードローン) | 4.4%~12.5% | 残高スライド返済、定額返済の選択制 |
JCB CARD LOAN FAITH | 4.4%~12.5% | 残高スライド元金定額払い、毎月元金定額払いの選択制 |
信販会社系カードローンは銀行と同様の金利水準です。返済方式が柔軟な企業が多いのが特徴です。
消費者金融系カードローン
カードローン名 |
金利 |
返済方式 |
レイクALSA | 4.5%~18.0% | 残高スライドリボルビング方式、元利定額リボルビング方式の選択制 |
アコム | 3.0%~18.0% | 定率リボルビング方式 |
プロミス | 4.5%~17.8% | 残高スライド元利定額方式 |
アイフル | 3.0%~18.0% | 借入後残高スライド元利定額リボルビング方式 |
SMBCモビット | 3.0%~18.0% | 残高スライド元利定額方式 |
消費者金融は銀行や信販会社ほど資金力がないので上限金利を高く設定しています。
カードローンの金利をチェックする上での注意点
カードローンを金利で選びたいのであれば、下限金利ではなく上限金利をチェックしてください。
カードローンを利用したいと考えている人は、利用したい金額はだいたい50万円までであり、50万円までの借入であれば各社が適用している金利は上限金利となるからです。
銀行と消費者金融系、どちらがお得?
銀行カードローンと消費者金融系カードローンの金利を比較すると銀行のほうが金利は低いのですが、一概にお得とも言えません。
消費者金融系カードローンは審査が早く最短で数時間後に借り入れができます。一方で銀行カードローンの利用可能日は最短で申し込んだ日の翌営業日で平均すると数日後になります。
急いでお金を借りたい、という人には消費者金融系カードローンのほうにメリットを感じるでしょう。
また、大手消費者金融は初めての利用者に対して無利息サービスを提供しています。カードローンを利用しても短期間で返せる目処があれば消費者金融のほうがお得なのです。
カードローンに支払う利息を抑えるには
最後に、利用しているカードローンの利息をできる限り安く抑える方法を紹介します。
信頼されるように利用する
まず、利用しているカードローンに信頼されるように利用してください。具体的には毎月の返済日に遅れずきちんと返済し続けることです。
返済をしっかりするとカードローンからの信頼度が上がり優良顧客と判断され、金利引き下げを提案されることもあります。
利用者の金利を下げるとカードローンにとってメリットがないように思われるかもしれませんが、多少金利を下げても優良顧客と長期に渡り付き合ったほうが確実にビジネスになります。
他社で借入を行うよりは長期に付き合いたいと考えています。
借り換えを行う
当然のことですが、利用しているカードローンの金利より低いカードローンに借り換えることができれば支払う利息は安くなるし返済額が低くなります。
カードローンは金利が低ければ低いほど審査が厳しくなりますが、借り入れしている総額と利用している件数次第では借り換えを検討してみてもいいでしょう。
繰り上げ返済を行う
余裕があれば毎月の返済日だけではなく返済してください(繰り上げ返済、追加返済)。繰り上げ返済をすると返済額はすべて元金に充てられ、その分金利が低くなります。
繰り上げ返済をするたびに返済が楽になっていくのです。
おまとめローンを活用する

複数のカードローンから少額の利用をしているのであれば一社にまとめて一社からの借入金を高額にしたほうが利息はお得です。
もし一社からの借入金が100万円を超えると上限金利が下がりますし、毎月の返済額も減らせますし管理も楽になります。
返済専用のサービスですが、総量規制に該当しないので年収の1/3以上の借り入れを行っている人でも利用が可能です。